彼岸花  赤い布のように咲き続いていました

ちょっと幸せ

秋です。お彼岸の9月20日前後になると、ちゃんと道脇に彼岸花が咲き出します。

今年の夏は暑く、9月も真夏のような日が続きました。でもちゃんと20日を過ぎると、彼岸花が顔を出し、例年より少し遅れた感はありますが、あたりは赤い花が咲き乱れるようになっているこの頃です。

彼岸花というと、小学校の4年生で習う「ごんぎつね」に、花の咲いているシーンが出てきます。

たった一人の身内を亡くした兵十。一人ぼっちでのいたずら好きな狐のゴン。新美南吉の童話ですが、死ぬ間際にゴンの気持ちが兵十に届くという切ない内容です。

人は(この場合は狐と人ですが)そうそう分かり合えるものではない。また、己のしたことに対して後悔を抱いて生きていかなければならないといったことが伝わってきます。

ただ、それが一種の救いにもなっている、とも思います。

私は、自分のことがきちんと伝わっているとは思ないですし、自分の行為が相手に迷惑をかけていることも多々あります。でも、そんな自分でもいいのだ、いつかゴンと兵十のように分かり合える日が来るかもしれないし、誰だって悔いを抱きながら生きているのだ、と思える童話なのです。

彼岸花を見ると、「ごんぎつね」を思い出します。

こんな私でも、生きていていいのかもしれない。

こんな私のことを、誰かがわかってくれるかもしれない。

そんな希望が彼岸花には隠れているような、気がする秋です。

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