〇〇は力なり

かしこく聡明に

こんにちは、あさです。
学校心理士、小学校で教師の仕事をしています。仕事柄、どうしたら賢くなるのだろうと考えることが多く、
わかってきたことを備忘録的にまとめてみました。

ことわざを見てみると

脳科学が発達して、いろいろなことがわかってきましたが、その上で、昔の人がことわざとして残してきた言葉の意味を考えると、びっくりすることがよくあります。

三度目の正直

物事は最初や二度目はだめであっっても、三度目には然るべき結果が得られるという意味だそうです。

繰り返して取り組め、という意味もあるでしょうか。

さて、これが脳科学的な見地から見ると、どういったことになるのでしょう。

脳の神経細胞は電子回路のようなネットワークを作っているのですが、点と点を結んでいると考えるとわかりやすいです。

点の部分が、ニューロンという神経細胞、線の部分がシナプスと呼ばれている突起となります。

このシナプスは、数が増えたり、大きくなったり小さくなったりして、変化しているのだそうです。

縄跳びを例にとると

例えば、縄跳びの練習をしているとします。

最初はうまく跳べません。縄もリズムよく回せませんし、それに合わせて跳一定のリズムで跳ぶというのも難しいですよね。

でも何度かしていると、縄と跳び越すタイミングがあう時があり、それを繰り返しているうちに、ある一定のリズムで何度か跳べます。

またそれを繰り返すうちに、10回とか20回とか跳べるのです。

頭の中では

動きを生み出す脳の仕組みは、少し調べたのですが、なかなかに複雑です。どこか一定の場所、たとえば脳の運動を司る大脳皮質の部分だけが働いているのかといえばそうではなく、大脳皮質からの制御と指令が脳幹部をとって脊髄まで伝達され、そこから筋肉へとつながる運動ニューロンまで届けられます。

脳内回路の仕組みとしてニューロンを介して伝達されるのは間違いないのですが、途方もなく複雑な回路が形成されているようです。

シナプスやニューロン、脳内回路については東洋大学生命科学部の児嶋信彦教授の話や新潟大学脳研究所から出ているコラムを参考にさせていただきました。

しかし、乱暴に言うと、ニューロンという線の部分が試行錯誤しながら、伝達の道を作っていくわけで、そこがスムーズになれば、自分がしようと思っている動きを再生できるということではないかと思います。

そこで、縄跳びです。

一回、うまく跳べたとします。ニューロンの道筋はまだまだ拙く、伝達も思うようにできません。そこで、もう一度跳ぶ練習をします。少し、伝達が速くなります。そこでもう一度練習をします。こういったことを繰り返しを行うことで、ニューロンは大きくなったり、伝達物質を増やしたりし、動きがだんだんスムーズになっていくのです。

「三度目」の意味

これを「三度目の正直」と照らし合わせてみましょう。

縄跳びでも何でも、最初はまだ、脳内の回路が出来上がっていません。今まで使っていた回路を代用させて行うのですから、うまくいかないのは当然です。

そこで、私たちは何度か練習します。

と、脳内のニューロンが突起を伸ばしたり伝達物質を出したりと働き始めます。

新しい回路が作り出されて始めるのです。

それで何度かしているうちに、回路の調子が整い、縄跳びが飛べるようになるのです。

回路の形成ができるまでの期間

一方、ことわざを聞くと、せっかちな私は、「三回練習すればいいんだ」と思いがちです。

「三度目の正直」は古くは「三度目の神正直」と言ったそうで、3度目には本人の実力や運が発揮され、結果が良くなくても諦めがつくという意味もあったそうです。

もちろん、人には得手不得手がありますから、練習すれば何もかもが上手にできるようになるとは思いません。いくら脳の回路が優れていても、1週間やそこらで、上手にできるようにならないですよね。最低でも、1か月は続けたい、しかも毎日くらい練習したいものです。

でも、毎日1か月続けると、およそ30回は練習したことになります。また、1か月すれば、脳の神経細胞たちも少しは回路を整えることができるでしょう。

私のような辛抱ができない人間には、どうぞ、「今、脳の神経細胞が頑張って回路を作っているから、1か月は頑張ってみようよ」と伝えてあげてください。

私も自分に、そう言い聞かせ、少しは我慢して練習してみます。

ここまでお読みくださってありがとうございました。

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