あさです。
学校で、集中が切れてしまう子どもによく出会います。
黒板に書かれたことを写しましょう、とか、計算練習をしましょう、とか、そういったことに取りかかれなくて、ぼうっとしている子もよくいます。
「やろうよ」
そう呼びかけると、「やる気ない」
お家の方に相談すると、「やる気のスイッチが入ればするんですけどねえ」という答えが返ってきます。
電気をつけるみたいに、スイッチをONにすればいいのなら、どんなに楽なことでしょう。
実は、やる気は、脳の中の線状体やその近くにある淡蒼球というところが関係しているそうです。大阪教育大で学んだ時、脳の生理学の授業があったのですが、その時に医学博士の教授が、尾状核の模型を持って登場し、教えてくださったことがあるのですが、当時はさっぱり分かりませんでした。やる気がなかったものですから。
でも、今になると、ああ、あれが、と思います。
脳学者の池谷先生によると、ここが刺激されると、やる気が出るというのです。
大脳の中心に基底核があり、その中に尾状核、線状体、淡蒼球などがあるのですが、これらが「やる気」と深く繋がっています。
頭を切って手をいれ、そこを刺激するなんて、できませんよね。
でも、人間は体を動かすと、線状体近くに信号が送られます。血流が盛んになり、今まで休んでいた線状体に刺激が入り、やる気が出るというわけです。
私も、掃除をする気持ちになれないと思っていても、本棚の整理をしたら掃除したい気持ちになって、床や廊下まで綺麗にした、ということはよくあります。
やる気のスイッチはありません。でも現在の脳科学では、そのスイッチに変わるものがちゃんと見つけられているのです。
私たちは「やる気が出ない」と言っていないで、そこのところをきっちりと理解する必要があるのかもしれません。