あさです。
前回、やる気を出すためには、動きましょうというお話をしました。
やる気は脳の奥の方にある、側坐核あたりが関係しているのですが、そこに刺激が行くためには、何か、体を動かすことが必要なのです。
逆にいえば、動けば次が続く、というわけです。
ただ、いつもいつも、やる気を絞り出して何かする、というのも苦痛ですよね。
たとえば、私が関わっている子どもたちの中に、計算が苦手という人がいます。
この人たちに、計算練習をしようよ、と言っても嫌がるわけです。
「やる気、出ないよ」
確かに。嫌なことにはやる気は出ません。
でも、すこし簡単なことなら取り組んでくれます。
そこで、簡単な計算練習を呼びかけます。
1度は参加します。でも、2度目となると、よほどのご褒美か、よほどの叱責がなければ、体は動きません。
でも、計算の力というのは、繰り返し取り組まないと力としては定着しないのです。
九九を覚えるのと似ています。
1回唱えたところで九九が覚えられませんが、毎日、お風呂の中で唱えているうちに、だんだん言えるようになり、いつの間にか、覚えている、というアレです。
九九をお風呂で唱える、というのは、お風呂の中がいいのではなく、お風呂に入ったら九九を言うという習慣ができていたから、言えたと言うことなのです。
九九を覚えればいいことはわかっているけれど、言い方も特殊だし、めんどくさいし、進んでしたくはないですよね。
でも、お風呂に行けば何故だか九九を言う、ということになっていれば、仕方なしにそれをします。
毎日やっていると、体が自然に、湯船に浸かると「にいちがに」と言い出す仕組みになります。
やる気も何も関係なく、湯ぶね=九九、となれば続けられます。
実は、続けると言うのは、これなんですよね。
何かを続けるためには、もう、暮らしの一部にしてしまう。
これが一番です。
それで私は、計算が苦手な人に、毎日10問トレーニングというのをすることがあります。
とにかく、朝、学校に着いたら、否応なく、簡単な計算練習をすこしだけする。3ヶ月も続けると、もうあたり前になるし、計算もはやくなる。
ただ、その3ヶ月を続けられるよう、励まし続けるのが大変なんですがね。
さ、私もお風呂へ行ってこよう。九九は唱えないけれど。