学習に前向きになった子供のこと
先日、小学校高学年の女の子、Aさんと勉強をしていて、いつもより内容理解がどんどん進むのに驚きました。
「どうしたの、今日はメチャ、調子いいじゃない」
算数の計算もミスなく早くできますし、ちょっと複雑な文章問題も順序よく考えることができました。
Aさんは、自分が思っているより課題が複雑な場合、怒り出す癖があります。癖というか、集中力も根気もなくなってしまう、と言った方がいいかもしれません。
「こんなややこしい問題、する意味があるの。教えて欲しいわ」
一緒に勉強している私にもその怒りをぶつけてきて、「教え方が悪い」「声が小さいから聞こえない」あるいは「声が大きいから耳が痛い」などと非難轟々です。
「すみません、いろいろと」と謝るしかありません。
いや、私にも言い分はあります。
この問題、この前もしましたよね。その時あなたは「こんなの簡単だから、一問すればいい」と言われたはずですが。あの時、もう一問、練習しておけば、今日はもっとスムーズだった筈では。
まあ、Aさんが怒っている時にこんなことを言っても仕方ありません。私は黙っているだけです。
Aさんは解き方も考え方もすっかり忘れて、怒っているのでした。
でも、今日は違います。
ちょっとミスった場面もありましたが、少し考えて「あ、これ違う。こっちの考え方」と言って、解き直しました。
そして、「わかった」と声を上げました。
「もう一問解くと、次からはもっとスムーズにできると思うけれど」というと、「解いてみる」と取り組みました。今度もスムーズです。やっぱち少し間違えそうになりましたが、冷静に対応して解決までたどり着いたのでした。
「どうしたの、何かあったの」
思わず言ってしまいました。
スマホを親に取り上げられると
「実は今、お母さんに、スマホを取り上げられているの」
オンラインゲームは1日2時間までという決まりがあるそうですが、それを破ってしまったとのこと。それでスマホなどを使うゲームが禁止となっているようでした。
「つまんない」とAさんは言っていましたが、スマホを触らないだけで、この集中力と理解力がつくのなら、すごいことではないでしょうか。
スマホを触っている時間と成績の関連
東北大学加齢医学研究所の川嶋隆太教授は、「スマホを使うほど成績は下がるのではないか」と言われています。
仙台市の小中学校の子供達を対象に、1日にインターネットで接続できる機器全般を対象に、何時間、機械に触れていたかと数学の成績との相関関係を調査されたようです。
厳密にいうと、スマホやタブレットなどの機器であったり、使用時間も誰かが横で測定した結果ではなく、自己申告のような形かもしれません。中には、スマホでゲームばかりしていても数学が得意なお子さんもいるでしょうから、一概には言えないものの、スマホを触ってばかりいると成績は下がる傾向はあるようです。
1日24時間と限られた中での使用時間ですから、物理的に学習に取り組む時間が減るということもあるでしょうが、学習時間が長いお子さんと短いお子さんを比較する中で、スマホ類を触っている時間が長い方が成績が良くないというデータもあります。勉強をたくさんしてもスマホ類を触っている時間が長いと帳消しになるようです。
何なら、勉強をしなくても、スマホ類を触っていない子の方が、成績がいい場合もあるそうです。
成績を上げるなら、「勉強しなさい」よりも「スマホ類を見るのはやめなさい」と言った方がいいかもしれません。
その理由としては、まだ推測の域を出ないのですが、インターネットにつながる機器を扱っていると、頭の脳の特定の部分が麻痺するのではないか、とも言われています。
運動すると脳が活発になることからも、これからは、成績を上げるためには「スマホを止めて走ってきなさい」と言う時代になってきたのかもしれません。
今日はここまで。
お読みくださってありがとうございました。