たのしく読む

たのしく読む

輝子と瑠衣(井上荒野)を読んだ

輝子と瑠衣、70歳の女性たちの逃避行の話です。 二人はそれぞれ、モワハラの夫や息苦しい老人ホームから逃げてきたのですが、それが破天荒なんです。 もともと瑠衣は、自分の気持ちに正直に生きてきた女性です。だからお金もない。 最初の結婚でそこそこ...
たのしく読む

「子育てのほんとうの原理原則」(奥田健治)を読んだ

共感することが多かった書籍である。 この本の中で言われているのは、子どもと接する場面では、一定のルールを子どもと作り、それを子どもとともに守るということである。 筆者は「子育てのプリンシプル」と言っている。 小学校の教育現場では、これは確実...
たのしく読む

「戸村飯店青春100連発」(瀬尾まいこ)を読んだ

大阪の下町の中華料理店の兄弟の話である。 今から15年前に描かれたものだから、この小説にある世界は少し古いかもしれないが、世界観は少しも変わっていないと思う。 チャーハンにラーメンといった中華料理店の佇まい、そこに育つ中学生や高校生男子の心...
たのしく読む

「燕は戻ってこない」(桐野夏生)を読んだ

大石理紀、29歳。北海道で生まれ育ち、今は、派遣社員でとして総合病院の事務の仕事をしている。東京での暮らしは、苦しい。古いアパートの家賃を払ったら、手元には6万ほどしか残らない。古着を買い、安売りの食材をやりくりして、なんとか暮らしている。...
たのしく読む

「うらはぐさ風土記」(中島京子)を読んだ

離婚を機に日本へ帰ってきた主人公沙希。コロナ禍が収まったが、世の中は人とのつながりが希薄になって、住み始めたうらはぐさ地域も然り。 ここは武蔵野の一角である。都会の様相もありつつ、自然がまだ残っている場所。野生の小鳥たちが沙希の住む家の庭に...
たのしく読む

 「まいまいつぶろ」(村木嵐)こんな本を読んだ

第9代徳川将軍 家重の話である。家重は生まれつき、身体の麻痺などの障碍があり、話す言葉も明瞭ではなかった。脳性麻痺ではなかったか、と言われているが、当時はそんなこともわからず、その身体の不自由さ、排尿も自分で律することができないこと、言葉の...