娘のところに第一子が生まれて、いよいよ離乳食をすることになりました。
私が子育てをしていた頃は、松田道雄先生の「育児の百科」をバイブルとして、困ったらそれを見ることにしていました。
松田先生は明治41年にお生まれ、京都で町医者をされていたそうです。「育児の百科」は岩波書店から出版されていて、令和の今でも、読み継がれているそうです。
ただ、少し古い感じはします。
だって、科学的に証明されることは、日進月歩、どんどん増えていますからね。
松田先生は離乳食の始め方もアバウトです。
離乳食の始まりは赤ちゃんが欲しがったら、とか母乳の出が悪くなったりミルクをあまり飲まなくなったらとか、書かれています。
これには理由があるのですが、面倒なことは置いておいて、6ヶ月になったら始めるとつもり、としておきましょう。
お子様によって、離乳食を嫌がる子もいるし、よく食べる子もいるし、いろいろですから、これは栄養補給ではなく、食べる練習とぐらいにとらえておきましょう。
最初は、10倍がゆ。お米:水=1:10のお粥です。
それを、小さじ1杯。すりつぶしてドロドロにしてあげます。
朝の10時ごろ、ご機嫌な時にあげる。
たった、1さじですが、小さいお口に入れようと思うと、何度かに分けて食べさせなくてはいけないし、赤ちゃんも初めてだし、うまくいきません。それが普通です。
何度でも言いますが、これは決して栄養補給ではなく、食べる練習。
お口の使い方や舌の動き、喉のごっくんの動きの練習。
お腹の中では、おっぱいやミルク以外の、別物が入ってきたのですから、その消化の練習。
長い人生、90歳まで生きるとすると、1日×3回×365日×90年つまり98550回食べたり飲んだりするうちの1回ということになります。
おおよそ、10万回の食事と思うと、そのうちの100回ぐらいはうまくいかなくてもいいのかなということでしょうか。
私はけちん坊なのか、お金に例えるととてもしっくりします。
離乳食の初期の回数と中期の1日に2回の回数を合わせると、おおよそ100回ぐらいになります。
10万円分のうち100円分くらいなら、その経費として支払っても全然平気です。
赤ちゃんがスプーンのものをお口に入れる練習。
赤ちゃんがお口のものを飲み込む練習。
赤ちゃんが口を閉じる習慣にスプーンを口から出して、お粥だけを口に残す練習。(これが結構難しい。よくこぼれます。)
そして、赤ちゃんのお腹が、ご飯や人参なんかを消化をする練習。
1匙目から始めて、だんだん増やしていきます。
それに合わせて、人参や南瓜などの野菜をすりつぶしてドロドロにしたものも増やしていきます。
慣れたら、豆腐、白身魚のドロドロとすすめていくわけですが、新しい食品はちょっとずつチャレンジしていきます。
今日、初めて豆腐を食べるのなら、お野菜は今まで食べていた物にしておく、ということです。
豆腐もほうれん草も初めて食べて、もし、アレルギー反応が出たら、アレルギーは豆腐かな、ほうれん草かなとわからなくなるからです。
でもあくまでも、食べる練習。
栄養補給ではありません。だから、おっぱいやミルクはその後、好きなだけ飲ませてあげてください。
大変ですが、目の前の子が、長い人生、食事を楽しみながら生き生きと過ごして行ってくれる第一歩に関わるなんて、そうそうできることではありません。
私は遠い昔、小動物に餌やりをしているような気持ちになり、それはそれで楽しかった思いをもったこともあります。
そんな日ばかりではなかったですけどね。