最近、生まれて半年ほどの赤ん坊と接することがあり、急に、幼少期の生育というものに興味を持つようになりました。
ちょうど、寝返りをしたりハイハイを始めてみたりの月齢となり、関連する資料を読んでみました。
私が愛読するのは、少し古いですが、松田道雄氏の「育児の百科」です。現代の情報を比較すると、医学的に間違っているとされている内容もあるのですが、小さな子供との暮らしが始まる不安な親たちを包み込むような愛情に満ちた表現は、今なお、心を救ってくれる気がします。
自分の子育ての時は、大変お世話になりました。
松田先生は、赤ちゃんの安全と運動、それから親の心の安定をとても重要視されています。赤ちゃんの暮らしが安全であること、そして健康に大きくなれるよう、運動をさせることが書かれていて、私は、自分の子育ての時は、とにかく、できるだけ体を動かさせるようにしていました。
いや、これには裏があって、赤ん坊を疲れさせ、昼寝や夜、とにかくぐっすりと眠り込ませたかったのです。少しの物音では起きないようにして、自分の時間を確保したいというのが、当時の私の願いでした。
まあ、たまたま、そういう質の子供だったようですし、松田先生のおかげもあって、割とよく食べよく寝てくれました。
現在、他の情報を調べると、まあいろいろな考え方があるようですが、やっぱり、ハイハイはできるだけさせた方が良いという意見は健在なようです。
ただ、住宅事情などもあって、十分ハイハイをしていない子や、歪なハイハイしかできない子もいるそうで、それがのちの成長に関わってくるのではないか、という意見もあり、ちょっと納得してしまいました。
今現在、私は、児童生徒と関わる仕事をしています。
姿勢が整わない人たちも多くいて、それと関連するのか、目からの情報を処理するのが上手くできない子や手先が極端に不器用な子など、なかなかに深い課題と直面しています。
身体の使い方も上手でなく、鉄棒がつかめない、10秒ほどもぶら下がってられないといった様子も見られます。
「姿勢を正して」といったところで、何が正しい姿勢かわかりませんから、どうしようもないという問題もあります。
この前、あまりにも姿勢が崩れ、椅子の上で半あぐらをかいているようなお子さんと一緒に活動しました。お尻の半分が椅子からはみ出していて、お母さんが「ちゃんと座って」というのですが、本人は「ううう」と言うばかり。
体をどうすればいいのか、分かってないのだと思いました。
腰を立てる、という姿勢があるのですが、骨盤を立てる感覚が本人にないのに、それをしなさいといってもできるわけがありません。
そこで、正座をしてもらいました。
日本人は正座をすると、腰が立ちます。
椅子に座ると、骨盤が後傾しやすいのですが、正座はきちんと骨盤が立ちます。
そのまま、立ち膝をしたり座ったりしているうちに、なんとなく骨盤を立てるという感覚が持てるようになり、ようやく、椅子にも腰を立てて座ることが出来ました。
驚いたのはその後で、それまで鉄棒にぶら下がるのがうまくいかず、「よく走ったりして運動しているのに変だよね」と言っていたのですが、腰を立つ姿勢をした後は、鉄棒ぶら下がりがうまくできるようになりました。
骨盤に意識がいくようになって、身体の使い方というか、力の入れ方がなんとなくわかってきたのかもしれません。
正しい姿勢は骨盤から。
そんなことを思った1日でした。
今回はここまで。お読みくださってありがとうございました。